プリンセスゆみの
世界巡航記
私と妹のゆみは、
ヨットで世界を巡航しました。
私は妹のゆみを連れて
成田からフランスの地に
降り立ちました。
空港に降り立つと
私は予約してあったレンタカー
を受け取りました。
妹を乗せて
パリの空港を後にしました。
あ、パリだよ
助手席のゆみは、
運転している私に
叫びました。
パリの街の夜景に
お馴染みのエッフェル塔が
見えていました。
私は高速を降りずに
そのままパリの街を
通り越していきます。
パリに寄らないの？
妹のゆみは、
ちょっと不満そうに
私に聞きました。
私たちが旅するヨットは、
フランス郊外の街に在った。
そこの造船所に在った。
パリの街には寄らない
私は妹に返事しました。
パリの街に行きたかったな
妹は遠ざかっていく
パリの街の灯を眺めながら
つぶやきました。
造船所でヨットを受け取ってから
ヨットでパリに戻ってくる
私は妹に答えました。
２人を乗せた車は、
フランスの高速道路を南下しました。
お腹空かない？
運転しながら妹に聞いた。
少しだけお腹空いた
妹は私に返事したが、
表情はお腹空いたと言うより
眠いという表情だった。
私は高速を降りると、
フランスの田舎道を走った。
急ぐ旅でもなかった、
今夜はのんびり
この街で一泊して行こう。
道沿いに見つけた
チェーン店のレストランに
車を停車させた。
ホリディイン
私は妹を連れて
レストランに入ると
案内された席に腰掛けた。
何を食べる？
私はフランス語で書かれた
メニューを眺めながら
妹のゆみに聞いた。
お姉ちゃん、
フランス語わかるんだ
第２外国語だったからね
私は妹に言った。
あとドイツ語もわかるよね
私は大学での医療本を
思い出しながら妹に答えた。
お医者さんだもんね
妹は私の事を感心していた。
私、お医者さんじゃないし
どっちもよくわからない
あんただって
医大に通っていたでしょうが
私は、妹に言った。
もう忘れちゃった
妹のゆみは私に言った。
医大での事は
思い出したくないようだった。
動物好きでしょう？
手術とか得意だったじゃない
先生、意地悪なんだもん
妹は私に言った。
先生が一生懸命教えてくれた
解剖実習を殺人犯と言って
恨み節だった。
臓器を取り出して
ビーカーに保存しなさい
というのを意地悪と言っていた。
優しすぎて
この子には医者は無理だ
と私は妹の頭を撫でた。
食事を終えると、
近くに在ったホテルに宿泊した。
旅の費用を節約したかった
私は宿泊はホテルではなく
ヨットの中を想定していた。
が、まだヨットには
辿り着いていないので
今夜の宿泊はホテルを利用しても
仕方ないかと思っていた。
ヨットで世界を旅したい
旅はまだ始まったばかりだ。
これから先、
予算はいくら掛かるか
わからない。
できるだけ
費用は切り詰めていきたい
ところではあった。
部屋に入ると、
妹は風呂にも入らず
ベッドに突っ伏して
寝てしまっていた。
ほら、寝るなら
着替えてから寝なさい
一度こうなると
妹はもうテコでも起きない。
私は、
背の小さな妹を抱き上げると
眠ったままの妹の服を脱がし
パジャマに着替えさせた。
お風呂、明日の朝でいいか
妹の寝顔を眺めながら
私はつぶやいた。
次の日の朝、
妹を部屋のお風呂に入れると
ホテルのビュフェで
朝食を済まし出発した。
フランスの造船所には、
昼過ぎには到着できた。
私たちのヨットは、そこにいた。
これから、
このヨットで世界を旅するのだ。
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