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テレワークで女が稼ぐ夜

ロックを越えて

プリンセスゆみの
世界巡航記

次の日の朝、
ヨットはけっこう早く
昨日停泊した運河の岸壁を
離れて、出航した。

ゆみ、
岸壁に着けるから
着いたら飛び移って!

私は、ヨットを操船しながら
デッキの妹に命令した。

ヨットは、
運河を出航すると
まず最初のロックに到着した。

これから
このロックを越えて
上流へと上がるのだ。

私が飛び移るの?

ゆみは、
操船席でラットを
握っている姉に聞いた。

姉は、
ほかにいないだろう
という表情をしていた。

ゆみは、
ヨットがロックの岸壁に着くと
岸壁の上に飛び移った。

ゆみが岸壁に上がると、

舫いロープを持って
ヨットを岸壁につないで

祥恵は、
ヨットの操船席から
妹に命令した。

ロープを結んだよ

結んだら、
そこにあるレバーで
ロックのゲートを閉めて

祥恵は、ゆみに言った。

ゆみは、
岸壁にある
ロックのゲートを開閉する
レバーに行くと、
レバーを回そうとした。

力の無いゆみには、
重すぎて全然回らない。

必死で
顔を真っ赤にして
レバーを開閉するのだが
レバーはビクともしない。

ぜんぜん動かない!

ゆみは、
レバーを回すのを諦め
姉のことを大声で呼んだ。

そのぐらい回せるでしょう。

私は、ゆみを
ヨットに戻すと
私の代わりに
ラットを握らせた。

そして、
今度は私が岸壁に
飛び移ると
ロックーのレバーを回した。

確かに、
ロックのレバーは固く
重くて、身体の小さな妹には
重すぎて回らない
かもしれなかった。

私が回すと、
今、ヨットが入ってきた
ゲートが閉まった。

ゲートを閉めると、
ロックに水を流し込んで
ロックの水位を上げた。

ロックの水位が、
上流の運河と同じぐらい
の高さまで上がると、

今度は逆の
ゲートを開いた。

ゆみ、
そのままヨットを前進させて

ゆみは、
姉に言われた通り
ヨットを前進させる。

妹は、
ヨットのアクセルを
少しずつ押し下げていき
ヨットは前進した。

次のロックまで
前進して行くと
次のロックの中に入る。

妹にヨットを操船させ、
私は岸壁に上がり
ロックを操作する。

ロックの水位が上がり、
ヨットはさらに
上流へ移動する。

力の無い妹は、
ロック内では
ラットを握って
操船担当。

私が、
岸壁に上がって
レバーを操作して
ロックの水位を調整する。

最初から、
この担当でやれば
スムーズにロックを
越えられたのだった。

ロック越え

体力には、
自信のあった私だが
さすがに重たい
ロックのレバーを何回も
回していると
疲れてきた。

少し休憩しよう

祥恵は、
妹に言うと
ヨットを
運河の岸壁に停めた。

ここで、
一旦お昼休憩だ。

妹は、船内から
お昼のサンドウィッチを
出してきて
デッキに並べた。

今日の昼は、
天気も良いし
デッキで食べることに。

デッキの昼食

あら、美味しそう

サンドウィッチにしたの

ゆみは、祥恵に言った。

2人は、
デッキのベンチに腰掛け
サンドウィッチを食べた。

パリって
まだ着かないの?

ゆみは、姉に聞いた。

まだまだ、
このスピードだと、
明後日ぐらいに
なってしまうかな。

そんなに掛かるんだ

パリに到着するまでには、
まだまだ何十という
ロックを越えなければ
たどり着くことは
できなかった。

頑張ろう

私は、
妹に言いながら
自分にも励ましていた。

急ぐ旅でもないから
のんびり進みましょう

私は妹に伝えた。

妹も、うんと頷いた。

さて、体力も
回復したし進もうか

祥恵は、
立ち上がって
ジーンズの埃を
パンパンと振り払うと
軽く屈伸運動した。

妹にヨットを前進させると、

私は、
ヨットに並走して
運河の岸壁の道を
走っていた。

今のロックから
次のロックまでの距離が
短かかった。

ロックとロックの間、
距離が短いと
いちいち
ヨットと岸壁を
乗り降りするのが
面倒なので、
祥恵は並走していた。

ロックとロックの間、
距離が長い時は
逆にヨットに乗って
次のロックまで
移動できた。

ヨットに乗って
移動している時に
デッキに腰掛けて
体力を温存していた。

けっこう疲れるわね。

これは、
けっこうパリまで
大変な旅になりそうだ。

今夜の宿泊

時刻は夕刻になっていた。

川幅が少し広い
ところに出ると、

今日はここまでしましょう

ゆみに伝えて、
運河の岸壁に船を停めた。

ここで、今夜は
お泊まりするの?

ゆみは、祥恵に聞いた。

そうしましょう

祥恵は、
船を停め終わると
デッキに散らかっている
舫いロープなどを
片付けた。

今夜は和食にしようか

ゆみは、
キャビンの中に入ると、
キッチンで夕食の準備。

ずっと、
パン食ばかりだったので
ご飯を炊こうと思っていた。

日本から造船所に送っておいた
炊飯器でお米を炊く。

フランスのスーパーで
買い置きしておいた
フランスの野菜、
ジャガイモや人参を使って
日本の肉じゃがを
作っていた。

フランスの食材を使った
和食料理が出来上がった。

これ、美味しいじゃないの。

祥恵は出来上がった
和食料理を食べながら
ゆみに感想を伝えた。

フランスの食材を使った
とは思えないぐらいに
しっかり和食の味に
なっていた。

味付けは、
日本から送っておいた
日本の調味料を
使っているもの。

ゆみは、祥恵に答えた。

今夜は、
2人でお風呂に入った。

ロックで
水を補給できる
場所があったので
給水タンクには
たっぷり水が入っていた。

それでも、
バスタブに張った
水はそのまま流さずに
身体も洗ってから
流していた。

少しでも、
貴重な水の節約だ。

お姉ちゃん、
おっぱい大きいね

ゆみは、
一緒に入っている
姉の裸、胸を眺めながら
感想を述べた。

別に大きくないよ

祥恵は、
自分の胸を手で隠しながら
ゆみに答えた。

だって、
お姉ちゃんって
中等部の頃は
いつもマナ板って
呼ばれてじゃない

うるさいな

祥恵は、妹に苦笑した。

変なこと
思い出させないでよ

確かに、
私は中等部の頃は
おっぱいがぺったんこで
クラスの子からマナ板と
よく呼ばれていた。

バスケ部の試合で
他の同級生たちと
並んで立つと
祥恵のおっぱいの小ささは、
他の子よりも際立っていた。

同級生の小倉まなみも、
中等部の頃から
けっこうおっぱいは大きかった。

自分だって、
小さいじゃないの。

祥恵は、ゆみに言った。

ゆみは、
中等部の頃、クラスでは
少しおっぱい大きかった。

今は、それほどでもなく、
中等部の頃のマナ板だった
姉よりも小さめの
おっぱいになっていた。

今日の宿泊場所

今晩、停泊した
運河の岸壁は
周りに畑が広がり
静かでのどかな場所だった。

静かだね

私は、
布団の中でつぶやいた。

虫の声が聞こえる

運河の周りの畑では、
虫たちが囀っていた。

今夜は、
ぐっすり眠れそうだ。

船の船体に
当たる水面の音が静かで
心地よく静かな子守唄代わりに
なってくれていた。

今夜は、
初めから祥恵も
パジャマに着替えて
ベッドに入っていた。

ゆみは、
裾の長いロングの
ワンピースパジャマだ。

妹のゆみは、
小等部も
中等部も
高等部までも
ずっとスカートを
はかなかった。

いつも、
ズボン、パンツで
過ごしていた。

いつも
大好きなお母さん
の言うことは
よく聞くのに、

お母さんが
スカートはきなさい
と言っても、
スカートだけは
絶対にはかなかった。

逆に私は、
ズボンの日も多かったが
スカートも割と着ていた。

それが、
大学を境に
2人は全く逆になった。

姉は、
全くスカートを着なくなって
ズボンばかりで
過ごすようになっていた。

逆に、
ゆみはスカートばかり
着るようになっていた。

小さい頃、
どんなにお母さんが
スカートはきなさい
と言っても絶対に
スカートだけは
はかなかったのに、

今では、
今日はこれから
ヨットに乗るんだから
スカートはやめなさい
って日まで
スカートを着て
出かけることが多かった。

おやすみなさい

おやすみなさい

続きは次のページ
進みましょう


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