レディーステレワーク

テレワークで女が稼ぐ夜

ゆみの仕事

プリンセスゆみの
世界巡航記

私は、
妹のゆみに
今後の予定を話した。

明日は、
ヨットの旅を
再開します。

ずっと、
パリのマリーナに
滞在してきたが
いよいよ明日は
出航することにした。

もうパリ出ちゃうの

ゆみは、
少し寂しそうだった。

まだ描いてない
絵がいっぱいあるのに

ゆみは、
描きためた
スケッチブックを
見返していた。

それじゃ、
もうずっと
パリに永住しちゃう?

私は妹に聞いた。

妹は、
嬉しそうに
大きく頷いた。

本当に?

それでいいのね。
アフリカに
野生動物描きに行かないね
オーストラリアに
コアラ描きに行かないね

私は、
再度ゆみに聞き返した。

行かなくていいのね?

ゆみは、
姉に聞かれて
迷っていた。

ルーブル美術館もいいが
アフリカも
オーストラリアも
動物たちにも会いたい。

どうしようかな

ゆみは、
迷っていた。

ドイツにも
大きな美術館あるのよ

私は妹に伝えた。

ゆみは、
美大で習った
ドイツの名画を
思い出していた。

ドイツも行ってみたいな

そうでしょう

祥恵は、
ゆみに返事した。

実は、
パリの運河を
出発したら、

南下したら、
また元来た造船所に
戻ってしまうだけなので
北上します。

北上すると、
ヨーロッパの北岸
ドイツの港に到着します

え、そうなの?
じゃ、ドイツに行こうよ

ゆみは、
しっかり祥恵の話に
乗っかって
ドイツに向かう方向に
話が進んでいた。

明日は、
予定通りパリを出航
運河を北上して
旅を再開すること
になりそうだった。

今夜は、
最後のパリの夜だから
ちょっといいもの
食べよう。

祥恵の提案で、
スーパーに行って
いいお肉を購入
バーベキューとなった。

お姉ちゃん

ゆみが、
船のデッキに出た。

大丈夫よ、
バーベキューは
得意だから

祥恵は、
デッキに広げた
バーベキュー台で
買ってきた肉を
焼き始めていた。

いつも料理は、
ゆみに任せっぱなしで
家事を全くやらない
祥恵でも
こういう料理ならば
得意だった。

お肉と一緒に
野菜も焼いている。

焼き終わると、
妹のお皿にも
盛り付けた。

ほら、
先に食べなさい。

いつもだと
自分が先に食べて
まだキッチンで
料理中のゆみは
後から食べているが、

今夜は、
バーベキュー台で
祥恵が料理して
ゆみに食べさせていた。

美味しいね

ゆみは、
姉の焼いた
肉や野菜を食べていた。

少食のゆみと
2人だけだと、
そんなには焼かない。

これが、
小倉まなみや
会社のスタッフたちが
一緒のバーベキューなら
ずっと焼き担当を
していることに
なったであろう。

ゆっくり食べようか

ゆみは、
既にお肉とかは
食べ終わっていて
デザートのアイスを
スプーンで食べていた。

フルーツが
いっぱい中に入っている
パフェタイプのアイスだ。

美味しそうね

私は、
妹の口の周りを
ナプキンで拭いてあげた。

出発の朝

ゆみは、
お風呂から上がった。

髪もちゃんと洗った?

祥恵は、
お風呂から上がって来た
ゆみに聞いた。

昨日の夜は、
バーベキューの後
そのまま寝てしまったのだ。

それで、
ヨットで出航する日の朝
朝風呂だった。

髪ちゃんと乾かさないと
風邪ひくからダメよ

祥恵は、
ドライヤー片手に
ゆみの長い髪を乾かす。

私の髪なら
こんなに苦労しないのに

祥恵は、
ゆみの長い髪を
ブラッシングしながら
つぶやいた。

祥恵の髪は、
ショートヘアで
ドライヤーも使わずに
手ぐしで簡単に
乾いてしまう。

ゆみも、
髪を短くしちゃう。

祥恵は、
ゆみに言った。

ゆみは、
どっちでもいいみたい
な感じだった。

お母さんに聞いて
みないとわからないね

祥恵は自分で答えた。

もう出発するの?

ゆみは、
祥恵に聞いた。

うん、
出航しましょう。

朝ごはんは、
出航してから
デッキで食べましょう。

祥恵は、
ゆみに言った。

マリーナの受付で、
出航の手続きを済ますと
ヨットの舫いを外し
運河へと出航した。

ヨットは、
静かにポンツーンを離れ
パリの運河へと進む。

橋の下をくぐるの?

そうよ、
あの下をくぐって
パリの街を出るわよ

バイバイ
ルーブル美術館

ゆみは、
離れていく
ルーブル美術館に
手を振った。

随分、
長く滞在してたものね

祥恵も、
パリの街を振り返った。

パリの街並みが
背後へと離れていく。

パリの街は、
石段がきれいに
積み上げられた
美しい街並みだった。

私は、
ここに永住しても
良かったかな

妹には、
パリ以外にも
楽しいところは
世界じゅうにいっぱい
あるよと伝えたが、

祥恵自身は、
野生動物がいっぱいいる
自然が豊かなところよりも
パリの都会暮らしの方が
好きだったかなと思った。

パリの街を過ぎると、
景色は一変した。

のどかなフランスの田舎ね

祥恵は、操船しながら
周りの景色を眺めた。

まもなく、
北上して、最初の
ロックに辿り着いた。

ゆみ、操船を代わって

祥恵は、
ゆみにヨットの操船を
任せると、岸壁に
よじ登った。

ロックのレバーを
操作して水位を調整し
上流へと進む。

さあ、ここから
ロックの数が増えてくるわよ

祥恵は、
ゆみに伝えた。

ロックって大変だから
海に出た方が良くない?

ゆみは、
姉に聞いた。

だから、海を
目指しているじゃないの

と、姉に言われたが
ゆみにはよくわからなかった。

そうなの

北上して、
ヨーロッパ北岸まで行けば
そこはドイツの港だった。

祥恵としては、
ドイツの港に着いたら
そこのマリーナで
今は船体で横になっている
マストを立てる予定だった。

マストが立ったら、
そこから先は
オランダやアムステルダム
フィンランドなど北欧に
セーリングで向かう。

海には、
ロックが無いので
先へ進むために
水位を調整する必要もない。

そのまま
セイルを上げて
目的地まで走れてしまう。

それで、
ドイツに行くんだ

ゆみは、祥恵に聞いた。

そうよ

ドイツの美術館の
ためじゃないんだ

ゆみは、
姉に聞き返した。

もちろん
ドイツの美術館のためよ

慌てて祥恵は言い直した。

ドイツに着いたら
私がマリーナで
マストを立てたりするから
ゆみは、ドイツの美術館に
模写しに行けば良いでしょう。

ゆみは姉に頷いた。

どうせ、
マストを立てる時は
ゆみがいたとしても
何も役に立たない。

ドイツの美術館にでも
行っててくれた方が
ぜんぜん助かる。

2人のヨットは、
フランスの田舎の中を
抜けていく運河を
北上していた。

ドイツまで
ロックの数も多く
1日になかなか
距離は進めそうもない。

朝、パリを出て
もう夕方で
日が暮れ始めていた。

今日はここまでにしようか。

私は、
ゆみに伝えた。

明日、
先は進みましょう。

運河の端に、
ヨットを寄せて
そこに舫いを取った。

今夜の宿泊は、
ここの運河沿いだ。

周りには、
草原が広がる
フランスの田舎町だ。

近くにスーパーも無いわね

祥恵は、
周りを見渡した。

食料は、
ヨットの中に
まだたくさんあるし
大丈夫よね

祥恵は言った。

ゆみは、
冷蔵庫の中にあるもので
夕食の準備をした。

料理を煮込んでいると、

冷蔵庫に、
いっぱい入っているからって
全部使ってしまったら
だめよ。

常にヨットでは
食料と水は節約しながら
大切に使うようにしないと
いざという時に
困るからね。

祥恵は、
ゆみにヨットでの
クルージングの注意事項を
説明していた。

ゆみは、
冷蔵庫の中の食料を
計画的に使うように
気をつけていた。

ゆみが、
ギャレーで調理していると
表に出ていた姉が
船内に戻って来た。

今夜は、
ちゃんと鍵をかけて
宿泊しましょう。

祥恵は、
船内の鍵をかけて
窓などの鍵もしっかりかけ
カーテンも閉めてきた。

先ほど、
デッキに出た時
誰だか知らないが
30代前半ぐらいの
男性が勝手に
2人のヨットに上がって
こようとしていたのだ。

祥恵は、
フランス語で話しかけ
村の方へ追い払ったが
また戻ってくると
いけないから
念のためである。

私、1人なら良いけど。

ここには、
妹も一緒に宿泊している
まだ若い妹になんか
あると大変だ。

船中泊

女2人だけの旅だと
楽しいことばかりではない。

セキュリティにも、
気をつけないといけない。

ゆみも一緒だし
なんかあったら
姉として守ってあげなければ。

どうしたの

お料理しながら、
ゆみは姉に聞いた。

祥恵は、
全部屋の窓のカーテンを
しっかり閉めてきてから
リビングに戻ってきた。

大丈夫よ
悪い人もいるから
たまには気をつけないとね

祥恵は、
ゆみには、変な男性が
いたことは黙っていた。

どうやら、
男性はちゃんと
草原の向こう、村の方に
帰ってくれたようだ。

辺りは真っ暗だし
男性が戻ってくる様子もない。

一応、セキュリティは
万全を期すとしても
余計な心配までさせる
こともないだろう。

今夜は一緒に寝ましょうね。

私は、妹に告げた。

夜、
ゆみがお風呂に入っている間、
長野とリモートしている時
小倉まなみに男性の話をした。

私がいたら
ぶっ飛ばしてあげるのに。

まなみは、
祥恵に返事した。

ありがとうね。

小倉まなみは、
中等部の頃から
肩幅があって背も高く
力も強い。

まなみが一緒だったら
百人力だったであろう。

祥恵は、
時差の関係もあり
夜遅くまでリモートしていた。

まなみとは
プリンセストレーディング
の仕事の話だ。

ゆみは、
バスタブにお湯を張って
お風呂に入っていた。

水はヨットでは貴重だ。

お風呂から上がると、。

お姉ちゃん、
お風呂気持ちよかったよ

ゆみは、
まなみと打ち合わせ
している祥恵に言った。

良かったわね

ゆみは、
もう寝間着に着替えている
いつでもベッドに
入れる状態だった。

おやすみなさい

おやすみ

祥恵もお風呂に
入ってくると
ゆみと一緒に
ベッドへ入った。

一緒に寝ようね

リモート会議を終えて
ゆみがもう寝ている
ゆみに言った。

私の妹ってかわいい

祥恵は、
ベッドルームの
寝ているゆみの寝顔を
見ながらつぶやいた。

完全に、
親バカ、妹バカである。

うちのお母さんも、
お父さんでさえも、
妹にはけっこう甘い。

今井家は、
完全に妹バカ家族だ。

明日は、
北上の続きするために
さらに、多くの数のロックが
待ち構えていた。

今日の宿泊場所

ゆみの可愛い寝顔を
眺めながら考えていた。

これからは、
停泊場所も安全な場所を
選ぶように考えないとね。

祥恵は自分に
言い聞かせていた。

今日は、
船長として
ちょっと反省だな。

どういうところが
船中泊に安全かな。

祥恵は、
ベッドの中で
けっこう夜遅くまで
地図とにらめっこしていた。

街中とか、
他の船中泊仲間が
停泊しているところが
やっぱり安全かな。

次の日、
朝ごはんを食べ終わると
運河を出航した。

ゆみは、
ヨットのラットを
握っていた。

祥恵は、
ロックで待機して
陸上に上がると
レバーを操作して
船を上流へ上げる。

お昼休憩、
ゆみはスケッチブックを
手にデッキで
フランスの景色を
スケッチしていた。

ゆみは、
楽しそうに
スケッチしていた。

私が、
操船しているから
ゆみはスケッチ続けていなさい。

祥恵は、
ラットを握って操船しながら
ゆみに伝えた。

ここからしばらくは、
ロックが無いから
スケッチしていても
大丈夫よ。

ゆみは、
祥恵に言われて
嬉しそうに
スケッチを続けた。

次のロックに
たどり着いたとき
ゆみがスケッチしているのを
一緒にロックに入った
キャナルボートの女性が
覗きこんだ。

あら、上手な絵ね。

ゆみに話しかけた。

それから、
祥恵がフランス語で
キャナルボートのおばさん
と話しかけて
仲良くなった。

おばさんたちとは、
途中まで
方向が同じだったため
一緒に旅することになった。

その日の夜は、
おばさんたちの
キャナルボートと同じ場所で
船中泊することになった。

同じ船中泊仲間が
一緒なので
今夜は安心できそうだ。

その日の夕食は、
おばさんたちに
キャナルボートの食堂へ
招待された。

おばさんたちは、
夫婦2人で
ヨーロッパじゅうの運河を
旅しているらしかった。

続きは次のページ
進みましょう


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